GA TALK 014 マイケル・ジュー(アーティスト)「塩に変わる汗:境界域で自然を減速させる」開催のお知らせ

Preparing caribou sculpture with live camera video feed in central Alaska, for the video installation, Circannual Rhythm (pibloktok), 2003-2005 (photo Tom Bigelow), Courtesy of the artist

GLOBAL ART TALK 014 マイケル・ジュー(アーティスト)「塩に変わる汗:境界域で自然を減速させる」

今回のグローバル・アート・トークは、アーティストのマイケル・ジュー氏をお招きして、京都造形芸術大学教授、森美術館副館長兼チーフ・キュレーターの片岡真実氏との対談を開催致します。

プロセスのリズムは、どこで減速し、そこに組み込まれたアートを可視化するのだろうか。バラバラになった物事は、見慣れているけれども新しいやり方によって、どこで再形成するのだろうか。ローカル、グローバル、トランスナショナル/トランスカルチュラルな文脈において、アーティストがそれに取り組む戦略や方法は何だろうか。これらは20年にわたるリサーチ志向型芸術実践の中で、ジュー氏が対峙し続けてきた幾つかの問いです。その実践は、彼が拠点を置くニューヨークからペンシルバニアの炭坑、アラスカの油田そしてUAEのシャルージャ砂漠にある化石層など、境界域にある不確定な場所で繰り広げられてきました。今回のトークでは、ジュー氏の芸術実践の根幹を成すリサーチの現場、微気候、文化そしてプロセスについてお話をいただきます。その中で、それらの変容を生み出してきた人々、場所そして文脈を紹介するとともに、リサーチが強固なものとなり、それが芸術作品となっていく数々の事例と経路を理解する手がかりを提示します。

概要

日時:2018年12月17日(月) 19:00-20:30
会場:京都造形芸術大学人間館NA102教室
https://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/access/
料金:無料(要申込み) 
定員:100名
※英日逐次通訳あり

主催:京都造形芸術大学大学院、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

チラシのダウンロード

講師プロフィール

マイケル・ジュー(アーティスト)
1966年ニューヨークのイサカ生まれ。セントルイスのワシントン大学とイエール大学芸術学部で美術を学ぶ。1991年からニューヨークを拠点として活動。それ以降、精力的に個展やグループ展、美術館等での展覧会を開催。メニル・コレクション、サーペンタイン・ギャラリー、ホイットニー美術館、ロダンギャラリー(サムソン財団)、世界文化の家、マサチューセッツ工科大学リスト・ヴィジュアル・アーツ・センター、フリーア・ギャラリー/サックラン・ギャラリー(スミソニアン美術館)等。作品を通して、アイデンティティや人間のコンディションに関わる本質的な問い、例えば「私たちは何からできているのか」「私たちはまわりの環境とどう関連しているのか」「私たちは自然の一部なのか、それとも自然とは切り離された存在なのか」、に取り組んでいる。自然および文化と素材を接合あるいは対立させ続けながら、近年では朝鮮半島における軍事境界線にある非武装地帯のような、地政学的に緊張関係にある場所によって、自然はどのように形づくられるのかを探求している。

申込み・お問合せ

申込み・問い合わせ先:(GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp
*お申込みの際には、①氏名、②人数、③連絡先電話番号あるいはメールアドレス、④ご職業(学生の場合は大学名)を上記アドレスまでお送りください。京都造形芸術大学の学生の方は学籍番号も添えてください。

GLOBAL ART TALK By KUAD x HAPS 

<現代アートで京都と世界をつなぐ>

現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
 京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都造形芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。

*GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)の「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
*京都造形芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。

参考作品

Examining Bowhead whale remains at edge of Arctic Ocean, Point Barrow, Alaska (photo: Robin Mongoyak), Courtesy of the artist

Photographing lightning struck trees on Sapelo Island, off of the Georgia coast Of the U.S. for the Entasis series, 2016 (photo Storm Janse Van Rensburg), Courtesy of the artist

Site-specific work Highway as installed in a historic grain storage barn in southern Sweden, 1998 (photo Wånas Foundation), Courtesy of the artist




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