Surrender ゆだねる力展ー能動と受動の間で

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開催情報

【期間】2022年6月17日(金)~2022年7月31日(日)
【開館時間】10:00-20:00

https://www.uds-hotels.com/anteroom/kyoto/news/13804/

会場

会場名:HOTEL ANTEROOM KYOTO l Gallery 9.5
webサイト:https://www.uds-hotels.com/anteroom/kyoto/#top
アクセス:京都府京都市南区東九条明田町7
電話番号:075-681-5656

概要

この度、ホテルアンテルーム京都 ギャラリー9.5では、6月17日(金)から7月31日(日)までの期間、AIの活用による創造性の拡張に取り組むQosmoによる展覧会『Surrender ゆだねる力展ー能動と受動の間で』を開催します。本展では、ブライアン・イーノが提唱した”Generative Music”の概念をモチーフに、アーティストが制作過程の一部を、AIや環境といった外部のプロセスにゆだねた作品群を展示します。

2020年春、新型コロナウイルスの流行によって、外国人観光客が街から消えた。友人のパーティーや近所のバーで偶然出会った人たちとの会話 を通して、世界が少しだけ違って見えるようになる、そんな感覚を味わ うことも無くなった。マスクをつけるかどうかといった単純な判断ひとつとっても、こちら側、あちら側の人という区分を作り、排除する力学が日々働いている。 一方、オンライン環境では、YouTubeやNetflixのおすすめアルゴリズム がわたしたちに「最適な」コンテンツを常に提示してくれる。こうしたア ルゴリズムに対して、どこまででも受け身になり得ることを痛感してい る人も多いのではないだろうか。 昨今のコロナ禍とAIをはじめとするテクノロジーの発展は、私たちの生活から「異質」なものを排除し最適解に向かうベクトルを強化すると同時 に、異質なものをどれだけ受け入れるのか、わたしたちの日々の意識を問い続ける結果となった。
そうした中、本展では、コンピュータのプログラムやAIという異質な存在、あるいはわたしたちを取り巻く環境の変化に、創作のプロセスの一部をゆだねた作品を展示する。
アーティストが自らの判断を、外側にあるプロセスに「移譲する」ことで、 自身の創造性の半歩外側を探索しようとする感覚、異質性や予測不可能 性を排除するのではなく、意識的にそれらを受容する姿勢がそこにはある。単にコンピュータのアルゴリズムに盲目的に従うわけでもなく、能動的な受動性(ブライアン・イーノであれば、サーフィンすると呼ぶであろう状態)が存在している。
東京をベースとするQosmoは、アーティスト、エンジニア、AI研究者などからなるコレクティブで、テクノロジーとアートを通して人類の創造性 の拡張に寄与をすることを目指している。今回、Qosmoのメンバーが展示する作品は、上記の姿勢を通して、わたしたちを取り巻く日常の環境やテクノロジーに対してオルタナティブな視座を提供しようとする試みである。ある瞬間、そこでしか生まれない表現。ブライアン・イーノが提示した Generative Musicの考え方をモチーフに、アーティストとアーティストが受容したプロセス(AI/環境)によって生み出されるうつろいゆく表現 が、私たちの時間や空間に対する感覚を変容させる。
Generative Artという言葉が、プログラミングツールを使ったビジュア ル表現を指す概念として矮小化しているように感じる中で、改めて生成的(Generative)であることの本質、外部のプロセスに適度に身を任せることの意味について考え直すきっかけになれば幸いである。
ブライアン・イーノに心からの敬意を表して 2022年6月
Qosmo代表 徳井直生 

また、開催を記念した連動企画として、6月17日 (金)は展覧会会場にてオープニングレセプションパーティー、7 月18日(月・祝日)にはAOKI takamasa、真鍋大度氏などを迎え、京都CLUB METROにてスペシャルライブイベントを開催します。 是非、ご高覧くださいませ。

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