草間喆雄 個展 80年代から2021年まで

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開催情報

【作家】草間喆雄

【期間】
前期:2021年9月25日(土)- 10月23日(土)
後期:2021年10月30日(土)- 11月27日(土)

【開館時間】10:00 – 18:00
【休館日等】日・月休廊
【料金】無料

会場

会場名:現代美術 艸居 アネックス
webサイト:http://gallery-sokyo.jp
アクセス: 京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町 381-2
電話番号:Tel: 075-746-4456

概要

艸居アネックスにて「草間喆雄個展 80 年代から 2021 年まで」を開催致します。日本におけるフ ァイバーアートの第一人者として知られる草間は、ファイバーアートの黎明期にあたる 1970 年代か ら繊維を素材とした作品を制作し国内外での発表を続けてきました。2018 年に艸居にて開催された 個展に引き続き2回目の個展となる今展では、前期で 1980 年代から 90 年代の作品を、また後期で は 2000 年代以降から現在に至るまでの作品を展示し、ファイバーアートの世界を切り拓いてきた 50 年にわたる制作活動の軌跡と今後の新しい方向性を示します。本展は只今岡山県立美術館にて開 催中の「草間喆雄 美しき色彩のコンポジション」と同時開催となります。
武蔵野美術大学で実用的なテキスタイルデザインを学んだ草間は、大学卒業後、京都の川島織物 デザイン室に勤務しカーテンや敷物のデザインを手がけていました。同時期に海外では用途性を脱 した新しいファイバーアートという繊維の造形表現が生まれており、その革新的な動向に触れた草 間は 1971 年にアメリカのクランブルック・アカデミー・オブ・アート大学院へ留学します。大学院 修了後もユタ大学芸術学部にて助教授として教鞭をとる傍ら、ローザンヌの国際タぺストリー・ビ エンナーレなどのコンペに出品を重ねつつ、テキスタイル素材による新しい表現に取り組みます。
80 年代に入り日本への帰国後も精力的に美術館やギャラリーでの展示を行う一方、それらとは構 造やスケールの面で異なる性質を持った公共空間を彩る大胆な作品を数多く手がけてきました。こ れまでに 150 点以上の作品を建築空間や公共施設に設置しています。また、国際テキスタイルコン ペティション京都や国際ファイバーアートビエンナーレ(中国)などに多数入賞を果たすなど、国 際的な評価を確立していきます。
草間作品の特徴はその幾何学的で秩序立った織と鮮やかな色彩、そして織の工夫と異素材との組 み合わせにより立ち現れてくる、従来の織物の概念を超えたダイナミックな造形です。前期展では 滞米時代に経験した雄大な自然、自然現象の心象風景を糸・織を通して表現したシ リーズ、二重織によってより立体的な作品を目指したシリーズ、さらに鳥の飛翔をテーマに 立体的な形態で表現したを展示いたします。後期展では、近年の制作テーマである 「OPTICAL ILLUSION」シリーズを中心に展示いたします。樹脂及びステンレスの丸棒に直接糸を 巻き付けるコイリング技法を用いて、より立体で多彩な色相の集合的な形態表現を試みています。 このシリーズでは、強い存在感のある色彩を放つ個々の色を、並列させたり交差させたりすること で、鑑賞者の視覚において色が混ざり合う手法をとっています。近年の大作とともに 展示いたします。
これまでの草間の活動を幅広く捉えた貴重な展覧会ですので、是非この機会にご高覧いただけま すと幸いです。

草間喆雄(くさま・てつお)
1946 年東京都生まれ。1969 年武蔵野美術大学卒業。1973 年米国クランブルック・アカデミー・オブ・アート大学院修了。ユタ大学芸術学部助教授、成安女子短期大学教授、岡山県立大学教授を歴任。現在、岡山県立大学名誉教授。主な個展に 1976 年ファイバーセンターギャラリー(サンフラ ンシスコ・カリフォルニア・アメリカ)、1983 年村松画廊(東京)、1987 年銀座ワコールアートス ペース(東京)(ʼ90、ʼ93、ʼ99、ʼ01、ʼ05)、2019 年「現代の織」熊野古道なかへち美術館(田 辺・和歌山)など他多数。主なグループ展に 1977 年「今日の造形〔繊〕アメリカと日本展」東京国 立近代美術館(東京)、京都国立近代美術館(京都)、1977 年「第 8 回国際タペストリービエンナー レ展」ローザンヌ州立美術館(ローザンヌ・スイス)、1995 年「ジャパニーズスタジオクラフト: トラディションアンドアヴァンギャルド展」ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンド ン・イギリス)、2004 年「連続と反復展」京都市美術館(現:京都市京セラ美術館)(京都)、2012 年「Fiber Futures: Japanʼs Textile Pioneers 展」Museum of Craft and Folk Art(サンフランシスコ・カ リフォルニア・アメリカ)(その後フィンランド、デンマーク、フランスへ巡回)、2017 年「第3回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」金沢 21 世紀美術館(金沢・石川)、2021 年「ファイバーアートの 15 人」京都文化博物館(京都)など他多数。主な受賞歴に 1987 年第 1 回国際テキスタイルコンペ ティション ʼ87 京都 優賞・通商産業大臣賞、1989 年文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、2012 年第 7 回国際ファイバーアートビエンナーレ展銀賞(同 2014 年)、2013 年紺綬褒章などがある。主なコレ クションにベルリブ美術館(チューリッヒ・スイス)、東京国立近代美術館(現:国立工芸館)(金 沢・石川)、国立国際美術館(大阪)、京都市京セラ美術館(京都)他多数。パブリックアートとし て様々な公共空間にも作品が収蔵されている。
2021年9月14日(火)から11月3日(水・祝)にかけて岡山県立美術館にて「草間喆雄 美しき色彩 のコンポジション」が開催されている。

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