⼥性と線

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開催情報

【作家】東學 ⽯井亨 國久真有
【期間】2020年12月3日(木) ― 2021年1月13日(水)
【開館時間】10:00 – 18:00
【休館日等】日・月曜日
冬季休廊:12月27日(日) ― 2021年1月4日(月)
【料金】無料

会場

会場名:現代美術 艸居
webサイト:http://gallery-sokyo.jp
アクセス: 京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町 381-2
電話番号:Tel: 075-746-4456

概要

この度、現代美術 ⾋居では⾋居アネックスにおきましてグループ展「⼥性と線」を開催致します。
本展では「⼥性」と「線」に注⽬し、東學、⽯井亨、國久真有の 3 名の作家による平⾯作品を展⽰致します。⼥性は時代を通じて様々な作家に描写されてきました。その容姿は作者の⽬を通して、⾮常に表情豊かに描かれ、時代の世情をも表してきました。 現代社会において、⼥性の位置付けや役割も随分と変わってきました。今展では「線」で表現される現代の「⼥性」像をご覧いただく機会となれば幸いです。
東學は数多くの宣伝美術を製作するアートディレクターとして活躍する⼀⽅、「墨画(ぼくが)」を描く絵師として活動しています。和紙に墨で⼥性を描いた東の作品には伝統的な⽔墨画などに⾒られる“ぼかし”がなく、すっきりとした線のみで構成されている点が特徴的です。⼥性の⿊髪も、柔肌の丸みも、着物の柄として描かれた様々な花や⽣きものたちの表情もすべて、極めて細い筆先から⽣み出される線だけで表現されており、濃淡部分は何重もの細い線を引くことでその濃さを表しています。また、墨以外の⾊を排除しているにもかかわらず、絵の中の⼥性たちは鮮烈な⾊彩感覚を呼び
起こし、官能的で、⼿ざわり、匂いまでをも⾒る者に感じさせます。
⽯井亨は⽇本の伝統技法である⽷⽬友禅染で現代社会をユーモラスに描き出し、「現代の浮世絵師」とも呼ばれています。本展に展⽰される作品は江⼾初期の浮世絵師、菱川師宣の「⾒返り美⼈」をモチーフにした作品で、オリジナルは当時の最先端のファッションを菱川師宣が紙と墨というアナログな⼿法で描いたものです。それを⽯井はファッション雑誌のイメージをインターネットでコラージュし、デジタルな⼿法を⽤いて染め上げました。⽯井が⽤いる線は作品の素材となる布の縦⽷と横⽷の線であり、その線は彼にとって時間軸の意味合いを持ちます。
本展唯⼀の⼥性作家である國久真有。彼⼥は⾃⾝の体を軸として、腕のストロークと遠⼼⼒を利⽤した、⾝体が持つ円を⽤いて描く⼿法で作品制作をしています。國久は創作活動において経験と⾝体性を重視しており、⾃⾝の⾝体を使って描く円は、⾃⾝の経験によって刻々と変化するものだと考えています。つまり、作家⾃⾝が様々な場所を訪問するなど、たくさんの出来事を経験する前後では⽣み出される線にも変化があるという認識です。ある出来事を経験した⾝体は、また新しい円を⽣み出し、幾重にも繰り返し引かれるその円がひとつの単位となって、作品を作り上げます。本展では、⼥性の⾝体性を前⾯に押し出した、「wit-wit」シリーズを含めた、今年制作された作品をご紹介致します。

作家紹介(50 ⾳順):
東 學(あずま・がく)
1963年京都⽣まれ。扇絵師である東笙蒼の息⼦として幼い頃から絵筆に親しむ。1981年アメリカ、カリフォルニア州サンタクララ⾼校卒業、1992 年創造社デザイン専⾨学校卒業。現在、⼤阪にてアートディレクターとして勤務する傍ら、墨画制作を⾏う。受賞歴は 1978 年サンノゼタイムズ主催絵画コンクールグランプリ、1980 年カリフォルニア州絵画コンクールグランプリ、2005 年⼤阪市⻑賞(画家・鉄秀との共同制作)。メトロポリタン美術館が 1980 年の絵画コンクールグランプリ作品を収蔵。

⽯井 亨(いしい・とおる)
1981 年静岡県⽣まれ。2006 年東京藝術⼤学美術学部⼯芸科染織専攻卒業、2008 年チェルシー・カレッジ・アート・アンド・デザイン修⼠課程、テキスタイルデザイン科交換留学(ロンドン、イギリス)、2010 年東京藝術⼤学⼤学院美術研究科⼯芸科染織専攻修了、2014 年東京藝術⼤学⼤学院美術研究科美術専攻博⼠後期課程修了。現在、埼⽟県にて制作。受賞歴は 2007 年第 8 回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル 審査員奨励賞、2011 年イセ・カルチャル・ファンデーション・学⽣美術展覧会 デイビッド・ソロ賞、2013 年 2013 年度博⼠審査展 野村賞、
2017 年 The Annex Collection Acquisition ⼊選。収蔵先に東京藝術⼤学美術館(東京)、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン、イギリス)、モリカミ美術館(マイアミ、アメリカ)。

國久 真有(くにひさ・まゆ)
1983年⼤阪府⽣まれ。1999年⼤阪市⽴⼯芸⾼等学校インテリアデザイン科卒業、2000年⼤阪モード学園夜間パターンメーキング科修了、2003年ロンドン芸術⼤学セントラル・セント・マーチンズ校ファウンデーション・ディプロマ・イン・アート・アンド・デザインコース修了、2010年神⼾芸術⼯学⼤学先端芸術学部造形表現学科卒業、2012年神⼾芸術⼯科⼤学芸術⼯学研究科総合アート専攻修⼠課程修了、2015年神⼾芸術⼯科⼤学芸術⼯学研究科芸術⼯学専攻博⼠後期課程満期退学。現在、神⼾にて制作。受賞歴は2017年UNKNOWN ASIA審査員賞:松尾良⼀賞、レビュアー賞:中島⻨賞、三村康仁賞、2018年第47回現代芸術国際AU展TIVOLI Award、第22回岡本太郎現代芸術賞特別賞。収蔵先にMuseo dellʼ altro e dallʼ altrove di Metropoliz(ローマ、イタリア)、東⼤阪市⽴図書館(⼤阪)。

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