絞る 締める 染める

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開催情報

【期間】2018年2018,5,18(金)~6,17(日)
【開館時間】10:00~17:00
【休館日等】月曜日(祝日の場合は翌日)
【料金】大人300円、学生200円

http://someseiryu.net/topic_page.html

会場

会場名:染・清流館
webサイト:http://someseiryu.net/index.html
アクセス:〒604-8156 京都市中京区山伏山町550-1 明倫ビル6F
電話番号:075-255-5301
開館時間:10:00~17:00
休館日等:月曜日(祝日の場合は翌日)

概要

 染・清流館は、2006年に開館してから初めて、絞り染(板締め絞りやシェイプド・ダイを含む)の作品を集めた展覧会を開きます。
 絞り染は、布を糸でくくったり、板で挟んだりして、染料に染まらない部分を設け、文様を染め出す技法です。糊や蝋を使わず、糸や板などで物理的に布を覆って、防染をするわけです。
 この技法は古くから用いられ、日本列島に限っても1200年前には絞り染を使った染色品が存在しました。聖武天皇の没後、天平勝宝8(756)年に遺品を東大寺へ納めた際の目録(いわゆる「東大寺献物帳」)にも、板締め絞りを示す「夾 」などの記述があり、染色品の一部は正倉院に現存します。夾纈と絞纈(絞り染)、﨟纈 (蝋染)を「天平の三纈」と呼ぶこともあります。
 こうした染色の技法は、おそらく中国からもたらされたのでしょう。奈良時代の人々がそうした染色品に魅了されたであろうことは、想像に難くありません。古墳から数多く見つかる石製や貝製などの装身具が奈良時代に激減する背景に、新たな染色の伝来があったと指摘する研究者もいます。
 現代における染色は着装品の加飾にとどまらず、アート作品へも活用されています。絞り染も例外ではありません。作家は糸や板だけでなく独自に防染の方法を編み出し、さまざまな色の調和を試み、時に型染など他の技法をも併用し、また絞った形状の痕跡を積極的に生かすなどして、実に多様な作品を生み出しています。今展では、長い歴史の礎の上に花開いた、現代の美術における絞り染の多彩な展開をお楽しみいただけることでしょう。
 素晴らしい作品を出品してくださった19名の作家の皆さまに心より御礼申し上げます。また、名古屋芸術大学教授の扇千花さん、KICTAC主宰の川嶋啓子さん、染織と生活社編集長の佐藤能史さんに企画へのご協力をいただきました。記して感謝の意を表します。

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