開催情報
【作家】川人綾
【期間】2021年 6月19日(土) ~ 7月17日(土)
【開館時間】12:00〜18:00
【休館日】日曜日、月曜日、祝日休み
【料金】無料
https://www.imuraart.com/exhibition/2021/05/scopic.html
会場
会場名:imura art gallery Kyoto
webサイト:http://www.imuraart.com/
アクセス:〒606-8395 京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31
電話番号:075-761-7372
概要
イムラアートギャラリーでは、このたび、日本では3年ぶりとなる川人綾の個展「織(Ori) Scopic」を開催いたします。
川人は幼い頃から神経科学者の父から影響を受けて、脳を通して世界を把握していると意識するようになり、特に錯視効果に興味を持ちます。学部時代に京都で染織を学んだ後、表現方法を追求し、「制御とズレ(Controlled and Uncontrolled)」をテーマとした現在のグリッドペインティングの手法へとたどりつきました。「ズレ」がもたらす人知の及ばない領域の存在を鑑賞者と共感するために、作品を創り続けています。
川人は、民藝運動の主唱者である柳宗悦(1889-1961)の『芭蕉布物語』における“絣(かすり) の美しさは實に模樣が「ずれ」を有つてゐることによるのです。”といった「絣味」と題された「ずれ」への言及を参考に、「ズレ」を持つ絣には、意図的に表現しようとしたものには、決して到達できないような美しさがあるのだと考え、自身の制作に取り込みます。
本展では、これまでのグリッドに斜め45 度の線の重なりが試みられた新作12 点に加えて、壁紙を使用したインスタレーション形式で展覧いたします。観者は展示空間への出入りにより、作品による揺らぎを体感する事ができるでしょう。ぜひ会場でご高覧ください。
―作家ステイトメント
数ヶ月前、とある理由で、大島紬織元の元さんに、大島紬の製造工程の動画を送っていただいた。元さんは、私が博士課程で大島紬における制御とズレの構造について研究していた頃に、とてもお世話になった方だ。大島紬の精緻に織っていく製作工程の映像をリクエストしたところ、元さんは絣合わせという工程の動画を送ってくださった。
さっそく動画を拝見して、絣合わせの繊細な作業もさることながら、まだ緯糸が織り込まれていない、経糸が交互に上下している状態の美しさに強く惹かれた。まだ緯糸が織り込まれていない染め分けられた経糸が、完成されていない模様を浮かび上がらせている。人には、不完全な視覚パターンに存在する隙間を埋めようとする知覚傾向があるが、これから織られるであろう布のイメージを無意識につくりあげているようで心地良かった。この様子からインスピレーションを受けて、垂直の線と斜め45度の線が重なる絵画を描くことにした。