横溝美由紀 ”untitled, 2007-2019”

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開催情報

【作家】横溝美由紀
【期間】2019年6月11日(火)〜2019年7月6日(土)
【開館時間】11:00-18:00
【休館日等】日・月・祝祭日
【料金】無料

会場

会場名:ART OFFICE OZASA
webサイト:http://www.ozasahayashi.com/
アクセス:〒602-8216 京都市上京区竪門前町414 西陣産業会館207(堀川今出川南西 西陣織会館 西館)
電話番号:075-417-4041
開館時間:11:00-18:00
休館日等:日・月・祝祭日

概要

 2005年、横溝は国際藝術研究センターのフェローとして滞在した京都で、水とゲル化剤のみで制作された直方体4点からなる大型のインスタレーション [untitled - water gel] (#1) を発表します。
水とゲル化剤という、作品には極めて不安定な素材で制作されたインスタレーションは、会期中に蒸発しその姿を消してしまう儚いものでした。70年代以降、巨大化するインスタレーションの流れの中で横溝もまたその方向性を志向しますが、重厚で強固なイメージを謳う70年~80年代の作品
には馴染めず、横溝の選ぶ素材は常に不安定で壊れやすいものでした。

 翌2006年から横溝は、2007年5月に決まっていたグループ展の為に [untitled ‒water gel] から続く新作のインスタレーションの制作に取り掛かります。
 煉瓦ブロックにセロファンテープを何層にも巻き付け、その後、煉瓦ブロックを取り出し、セロファンテープだけで組み立て直し、煉瓦ブロックの表皮のみを可視化させました。当時の横溝のアトリエには、このセロファンテープだけで制作された透明の煉瓦ブロックが、床から壁、天井に至るまで無数に積み重なりながら張り付いていました。それらは、まるで成長のために脱皮を繰り返す生物の脱け殻のようでもあり、また瓦解した建築物の亡霊のようにも映りました。
 しかしながら、この透明の煉瓦ブロックは、とても脆弱で自らの重さに耐えきれずに瓦解し、グレープ展に出展されることなく破棄されてしまいます。現在、その当時の作品は、グループ展のダイレクトメールのために試作された作品画像 (#2) として確認することができます。

 その後、セロファンテープを使った作品は改良され、 [aero sculpture] とタイトルを変えて発表されますが、本展では、12年前の2007年に横溝が当初思考していた作品 [untitled, 2007] をその当時のドゥローイングとともに [untitled,2007-2019] として制作発表いたします。また本展に合わせて制作された新作のキャンバス [face] も展示いたします。

 近年、国内外で精力的に制作発表する横溝の12年前の思考を振り返りながら、この先その視線がどこに向うのかを感じさせる意欲的な展示になります。

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