開催情報
【作家】
【期間】2018年12月1日(土) 〜 2019年3月31日(日)
【開館時間】10:00~18:00(入館は17:30まで)
【休館日等】毎週水曜日、12月26日(水)~2019年1月4日(金)、2月4日(月)~8日(金)
【料金】無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
https://www.kyotomm.jp/event/exh_kashikoinosekai/
会場
会場名:京都国際マンガミュージアム 2F 館長室前
webサイト:http://www.kyotomm.jp/
アクセス:〒604-0846 京都市中京区烏丸通御池上ル (元龍池小学校)
電話番号:075-254-7414
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日等:水曜休み
入場料:大人/800円 中高生/300円 小学生/100円
団体(20名以上) 大人/640円 中高生/240円 小学生/80円
概要
京都国際マンガミュージアムでは、「世の中に忘れられたマンガの先祖たちを掘りおこし、現代マンガのルーツをさぐる」ということを目的に、荒俣館長が企画し、プロデュースする「大マンガラクタ館」という小展示シリーズを展開しています。
第3回となる今回は、戦前に発行されていた幻の学年誌『カシコイ』シリーズを、掲載されていた童画の原画や関連書籍などで紹介します。
〈荒俣大マンガラクタ館館長のコメントより〉
今からおよそ90年前、戦前の数年間に出版されたまま埋もれてしまった童画雑誌に『カシコイ』という共通タイトルがついた学年雑誌がありました。講談社や小学館のような大手出版社が出した人気学習雑誌と違って、小さな出版社ががんばって、当時いちばん才能のあった童話と童画の作家、および漫画家を起用した、個性ある雑誌でした。その雑誌に使われた原画や編集資料がひとまとめで見つかったのです。奈良にお住いの行司千絵さんという方が、昔おじいさまの藤本卯一さんが編集されておられた出版物に関心をもたれたのが、発見のきっかけでした。おじいさまの従兄弟である北村宇之松うのまつという方が創業した「精文館」で出版された『カシコイ一年小学生』と『カシコイ二年小学生』(昭和7=1932年創刊)です。この原画類が北村家と行司さんの手元に大切に保管されていたのです。
いわば学年雑誌の先祖のひとつですが、中身は今と大違いで、教科書風なところは少なく、当時有名だった童話作家の作品を、じつに美しい「童画」といっしょに載せた、子供の感性をはぐくむ絵本のように作られていました。それもそのはず、童謡顧問に北原白秋、童話顧問に浜田広介、童画顧問に初山滋、といった一流の先生方がチームを組んでいたのですから。漫画も、横山隆一や中島菊夫という人気画家が担当していました。そこで、この絵本みたいな学年誌を「童画雑誌」と呼びたいのです。
手塚治虫が登場するまで、子供の本や雑誌の花形といわれたのは、童画や漫画のタッチを生かした「挿絵」でした。当時人気があった描き手は、いま「絵本作家」として尊敬されていますが、じつは漫画の発展史をかんがえる上でも貴重な仕事を残しています。当マンガミュージアムの書庫を探したところ、『カシコイ』誌の現物をはじめ、漫画家として作品を寄せた中島菊夫の本や原画がたくさん保存されていました。この展示がきっかけになって、これからたくさんの発見が生まれることが期待されます。