開催情報
【日時】2015年11月4日 (水) – 11月12日 (木)
【料金】無料
http://www.kac.or.jp/events/17249/
会場
会場名:京都芸術センター 講堂
webサイト:http://www.kac.or.jp/
アクセス:〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2
電話番号:075-213-1000
開館時間:10:00〜20:00
休館日等:
概要
バシェ音響彫刻、EXPO’70から45年を経て今よみがえる
京都芸術センターでは、京都での制作やリサーチを望む芸術家または芸術分野の研究者の滞在を受け入れ、新しい芸術を生み出す機会を提供するアーティスト・イン・レジデンス プログラムを実施しています。2000年から毎年実施している公募プログラムに加えて、2011年からは京都市立芸術大学と連携した招聘プログラムを実施しています。
今年度、本プログラムで招聘するのは、バルセロナを拠点に活動するアーティストであり研究者でもあるマルティ・ ルイツです。彼は、フランソワ・バシェとベルナール・バシェ兄弟による音響彫刻(バシェ音響彫刻)の研究者であり、これまでにも世界各国のバシェ音響彫刻の修復を手掛けるとともに、彼自身もオリジナルの音響彫刻を制作してきました。
音響彫刻とは、その名が示すとおり、楽器であると同時に彫刻作品でもあるバシェ独特のオブジェであり、音を発生させる振動部と、円錐形の音響増幅装置から主に成り立っています。1970年の大阪万博では、鋼鉄館のプロデューサーであった武満徹がフランソワ・バシェを招聘し、17基の音響彫刻が展示・演奏されました。ところが、現在ではそのほとんどが解体され、錆びたり変形したり損傷を受けたままの状態で保管されており、当時どのような姿で人々の目と耳を楽しませていたのかは、写真から想像するより他はありません。
すでにルイツは2013年に大阪の万博公園内でバシェの音響彫刻2基を修復し、EXPOパビリオンと京都芸大でレクチャー・コンサートを行いました。このとき修復したのは、川上フォーンと高木フォーン(関根フォーンという説もある)で、このふたつは現在、鉄鋼館のエントランスホールに展示されています。ルイツは今回の滞在で、さらに桂フォーンと渡辺フォーンの2基を、京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻の協力を得て修復し、11月4日から12日まで京都芸術センターのギャラリー北で展示します。その後、11月15日のコンサートでは、武満徹がバシェ音響彫刻のために作曲した『四季』を上演します。『四季』は1970年の万博での演奏会が初演でしたが、2名の打楽器奏者が入国トラブルで間に合わなかったという経緯があります。今回は、この初演の際に演奏した山口恭範さんをお迎えして『四季』をより「完全な」形で上演します。