開催情報
【作家】川田知志|入江波光、岩井弘、岩倉壽、木下章、林司馬、宮本道夫
【期間】2022年9月17日(土)– 2022年11月6日(日)
【開館時間】11:00 – 19:00
【休館】月曜
【料金】無料
https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2022/8740/
会場
会場名:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
webサイト:https://gallery.kcua.ac.jp/
アクセス:〒604-0052 京都市中京区押油小路町238-1
電話番号:075-253-1509
開館時間:11:00〜19:00
休館日等:月曜日
概要
京都市立芸術大学芸術資料館には、明治期から教材として用いられてきた絵手本や、粉本類(下絵、模本、写生など)が数多く収蔵されています。学生たちは、描き手が何を表現しようとしたのかを読み解きながらこれらを写すことによって、描画の基本を学びました。この「うつし」による学びのあり方は、大正から昭和にかけて、古画の模写研究を熱心に行った入江波光、林司馬らによって、独自の絵画表現を生み出すための模写教育へと発展していきました。そして、模写対象は日本の古画だけにとどまることなく、画家たちの学びの意欲は世界中へと広がります。たとえば林司馬の後任として模写の教員となった岩井弘は、フレスコ画と日本画の類似点に着目し、1970年代、二度にわたって当時日本画の教員であった岩倉壽、木下章とともに、イタリア・トレビーゾ市立美術館の所蔵であるトマソ・ダ・モデナのフレスコ壁画《聖オルソラ物語》を日本画の画材を用いて模写しました。
本展では、この《聖オルソラ物語》の6作品を中心に、本学の模写教育に携わった画家たちの模写作品を取り上げ、それらにあらわれた「うつしのまなざし」について考察します。現代に生きる表現者として、彼らのまなざしへの応答を絵筆によって試みるのは、フレスコ画の技法を用い、都市空間と人との関係性について壁画表現を通して考察してきた川田知志です。川田は近年、フレスコ壁画の移設技法「ストラッポ」(壁から絵を剥がして別の下地に貼り付けて移動させる技法)など、壁画を解体し、移動させて再構築することで、空間と時間との二つの側面から切り離して仮設的な状態を生み出す表現に取り組んできました。本展会期中の毎休館日に、川田は模写作品と対峙しながら、その手を動かし続けます。画家は何を見て、何を感じ取り、何を表現しようとするのか。先人と川田の「うつしのまなざし」が、100年余り、あるいは模写作品の原本が描かれたもっと昔からの時間のなかで交差し、展示室のなかに新たな光景として次々に映し出されていきます。
出品予定の芸術資料館収蔵品:
岩井弘《殉教の図》(1974, 77)
岩倉壽《オルソラの家族》(1974)、《巡礼への航海》(1977)
木下章《ローマ法王との謁見図》(1974)、《オルソラと仲間たちのローマヘの航海》(1977)
(上記6点の原本:トマソ・ダ・モデナ《聖オルソラ物語》、トレビーゾ市立美術館、イタリア)
木下章・岩井弘・岩倉壽・宮本道夫《女史箴図巻(伝 顧愷之)》(1977|原本:大英博物館、イギリス)
入江波光《十二天像 水天像》(1912|原本:京都国立博物館、京都)
林司馬《法隆寺金堂六号壁観音菩薩像》(1948|原本:法隆寺、奈良)
ほか