開催情報
【作家】サンドラ・ビニオン
【期間】2019年7月27日(土) – 8月18日(日)
【開館時間】11:00〜19:00
【休館】月曜休館(祝日・振替休日の場合は開館、翌火曜日に休館)
※8月12日(月・振休)は開館、8月13日(火)は休館
【料金】無料
http://gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20190723_id=17688#ja
会場
会場名:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
webサイト:http://www.kcua.ac.jp/gallery/
アクセス:〒604-0052 京都市中京区押油小路町238-1
電話番号:075-253-1509
開館時間:11:00〜19:00
休館日等:月曜日
概要
《蒸化》とは、そのタイトルが示すように、新しい形で、現に存在し続けている作品として蒸留することを言う。—今回は、私の生涯を通して常に私と共にあった書物、ギュスターヴ·フロベールの『ボヴァリー夫人』である。私は13歳の時に初めて『ボヴァリー夫人』を読み、青春時代には幾度か読み返した。当時その小説は、私にとって、特殊で、官能的な人生を送ることから来る様々な結果についての一つの警告的な意味をもっていたが、同時に冒険への呼びかけとして機能した。この本は、まだ私の心をうち、感動させ、私の気持ちを惑わせる。なぜなら何よりもフロベールの文章のリズムやディテールの途方もない力によって、情熱と宗教、家族と個人的成熟の葛藤を体現しているからだ。
(サンドラ· ビニオン)
サンドラ・ビニオン氏は、「蒸化(ディスティレ)」において、フランスの小説家フロベールの『ボヴァリー夫人』の芸術的「蒸留化」、すなわち小説のイメージとアイデアを「蒸留」することによって、作品の本質を抽出し、小説的雰囲気を繊細に作り直そうと試みる。すでに各国で高く評価された展示を今回さらに醇化させるものである。「蒸化(ディスティレ)」は、インスタレーションとして構成されたイメージのきらめき、瞬間の印象や小説の断章をビデオ作成で紹介し、音、映像、オブジェ、香りといった本に纏わる思い出の喚起を言い、言葉のない詩的状況の想像的組み合わせによって、新しい芸術のあり方を提示する野心的な展示である。企画者の専門もフロベールであり、また昨年ジョルジュ・サンドの城館で行われた展覧会にも大きな感銘を受けた。
(2018年9月 柏木加代子)