開催情報
【期間】2018年6月2日(土)–7月8日(日)
【開館時間】11:00〜19:00
【休館】月曜日
【料金】無料
http://gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20180602_id=12428#ja
会場
会場名:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 1, 2, Gallery A, B, C
webサイト:http://www.kcua.ac.jp/gallery/
アクセス:〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1
(堀川御池ギャラリー内)
電話番号:075-253-1509
開館時間:11:00〜19:00(入館は18:30まで)
休館日等:月曜日
概要
美術表現が多様化する現在、広い視野と知識を以てその文脈を深く理解することは非常に重要す。90年代以降、フィールドワークなど人類学的手法を活用したポストコロニアル理論など、文化の差異や他者などをキーワードに意味作用を問う作品が多く見られるようになりました。観察や実測は、物質の動きや働きを対象とする自然科学や、人間と環境、行動やその背後にある制度を対象とする社会科学における調査研究の基本ですが、従来の学問領域を超えたアプローチが日々更新されているのだと言えるでしょう。その次なる展開として、幅広い学問領域の知と技術を活用し、言語的な理解だけでなく、深部の感覚や感性の作用の差異を扱う表現が注目されつつあります。
このような動向を踏まえ、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、文化庁補助事業である「状況のアーキテクチャー」2017年度のプロジェクトとして「物質+感覚民族誌」に取り組んでいます。当該事業は、京都市立芸術大学芸術資料館の芸術資料を「感覚民族誌」の視点から再検証することで、従来にはないリサーチとキュレーションのあり方を考察するものです。
本企画ではさらなる発展を目指して、「感覚民族誌」的観点から見ても優れたアプローチを取る映画監督、ヴィンセント・ムーンならびに即興的な身体の接触から始まるパフォーマンス・映像・写真など発表形態を固定しない活動で国内外から高い評価を得るcontact Gonzoを招聘し、展覧会を実施するとともに、二組の協働によりさらに拡張された領域に突入する表現の創出を企てます。また二組による作品の展示・パフォーマンスに加え、映像人類学者の川瀬慈(国立民族学博物館准教授)をディレクターに迎えて公開型のセミナーや実験を行います。川瀬はこれまで、文化人類学、映画、アートが交差する実践のなかで、言語に依拠するだけでは伝達されえない知や経験の領域を探求し、人文学における新たな知の創造と語りの新地平を切り開くことを目指して、国立民族学博物館にて映像人類学者を中心とする研究会「Anthro-film Laboratory」を自主的に実施してきました。その手法を取り入れさらに領域を拡大して行うセミナーや実験は、国内外の映像人類学者と美術作家、また幅広い領域に携わる研究者などが、「文化人類学・民族誌学」と「アート」という二つの文脈の交差として読み取ることのできる表現を超えて、従来の学問それぞれのアーキテクチャー自体を拡張、発展へとつながる極めて重要な実践となることを確信しています。