『疱瘡譚』上映会+トーク《巽漬け!!》

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開催情報

『疱瘡譚』完全!上映会
 土方巽の舞台を完全に記録した唯一の映像、『疱瘡譚』を全編上映(モノクロ、90分)。
【日時】11月2日(水)  14:00~15:30  / 19:00~20:30
    11月3日(木・祝)11:00~12:30  / 19:00~20:30
【入場料】500円

『疱瘡譚』完全!トーク会
トーク「土方巽×京都×疱瘡譚」(登壇者:森下隆、他)
『疱瘡譚』抜粋版(モノクロ、30分)+秘蔵映像(モノクロ、15分)上映。
【日時】11月3日(木・祝) 14:00~17:00
【入場料】1500円

https://www.kac.or.jp/events/32456/

会場

会場名:京都芸術センター 講堂
webサイト:https://www.kac.or.jp
アクセス:〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
電話番号:075-213-1000

概要

土方巽の伝説的舞踏作品『疱瘡譚』の初演より50年。映像とトークによる2日間の「巽漬け」で、『疱瘡譚』を味わいつくします。

50年前の10月の新宿で、土方巽(※)が、『疱瘡譚』という作品を発表しました。舞台上には、茫々頭でガリガリにやせ細り、皮膚がボロボロと剥がれ落ちているかのような異様な風体の男。彼のからだは折れ曲がり、麻痺したように縮こまり、痙攣します。
そんな彼の身体表現は、それから半世紀ものあいだずっと、「舞踏」の最高傑作として、魔法のような幻惑とともに、わたしたちを魅了しつづけてきました。

あまりにも有名なダンス作品『疱瘡譚』を、いまあらためてじっくりと鑑賞してみませんか。上映する映像は、土方巽の舞台を完全に記録した唯一の資料でもあります。そして京都は、西部講堂(京都大学)で3度の舞踏公演を行うなど、土方巽がことのほか好んだ街でしたが、京都での『疱瘡譚』全編公開は過去20年で初めてです。これに加え、今回はこれまで未公開だった秘蔵映像も上映します。

何がこの作品を傑作たらしめているのでしょう?どうして彼の「立てない踊り、立たない踊り」に、50年もの間、わたしたちはとらわれているのでしょうか?

今回の上映会にあたっては、1972年の『疱瘡譚』の公演とともに土方巽の舞踏公演の制作に携わり、その後、土方巽の舞踏資料の保存・収集・公開にあたってきた森下隆氏とともに、『疱瘡譚』を解剖しつくします。

※巽の「己」は「巳」

土方巽と『疱瘡譚』
土方巽(1928-1986)は、「舞踏」の創始者として知られる、ダンサー/振付家です。『疱瘡譚』は、土方が、ダンサーとしての4年間の沈黙を経て、44歳のときに踊った作品で、彼の代表作であり、「舞踏」の傑作のひとつです。

『疱瘡譚』は、1972年10月から11月にかけておよそ1か月に渡って行われた連続公演、≪燔犠大踏鑑第二次暗黒舞踏派結成公演・四季のための二十七晩≫の、最初を飾る作品でした。公演が行われたのは、『新宿泥棒日記』や『田園に死す』などの作品を上映し、当時のアングラ文化の中心地のひとつだった、「アートシアター新宿文化」という映画劇場です。映画の上映が終わった午後9時30分から11時まで、この劇場は、土方巽が「舞踏」と名付けた表現が、世に問われる場所となりました。

「舞踏」と聞いたとき、今でも、「白塗りの、ガリガリに痩せた男が、立とうとして立てず、痙攣する」というイメージを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。このイメージは、『疱瘡譚』の一部、<癩者の踊り>に端を発するものです。『疱瘡譚』は、「舞踏」のひとつの原型であり、「舞踏とはどんなダンスなのか」と考えるとき、必ず参照される作品だと言えるでしょう。

『疱瘡譚』のイメージに代表される土方巽の「舞踏」は、さまざまな人々に影響を与え、「Butoh」というひとつのジャンルとして国際的に認知されてもいます。『疱瘡譚』の発表から50年が経過した今こそ、『疱瘡譚』の記録映像の鑑賞を通じて、彼の身体表現の特異性/特殊性を検証しなおすべき時期ではないでしょうか。

本イベント、「巽漬け!!」に登壇する森下隆は、このように書いています。「いずれにしても、土方巽は革命家である。ダンサーの意識の転換を図り、ダンスのパラダイムの転換を促したのである。革命の正否は歴史の判断に委ねるほかないが、私のミッション、あるいはタスクは、そのための資材をできうる限り多く、できうる限り正しく提供することである」(森下隆『土方巽ー肉体の舞踏誌』勉誠出版、2014年、319頁)。

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