ニュイ・ブランシュ KYOTO 2021 クリスティーナ・ルカス 映像展「次の世界へ ~Vers l’autre Monde」

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開催情報

【日付】2021年10月1日 (金) – 2021年10月10日 (日)
【時間】10:00~20:00
※10月1日のみ22時まで開廊を予定
(新型コロナウイルスの感染拡大に伴い変更となる場合がございます)

https://www.kac.or.jp/events/30932/

会場

会場名:京都芸術センター フリースペース、講堂
webサイト:https://www.kac.or.jp
アクセス:〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
電話番号:075-213-1000

概要

文化の祭典、ニュイ・ブランシュ KYOTOを今年も開催!

京都芸術センターでは、ニュイ・ブランシュ KYOTO 2021への参加事業として、映像、パフォーマンス、絵画、インスタレーションなどの様々な表現方法を用いて、現状の社会構造に対する独自の目線から作品制作を行ってきたクリスティーナ・ルカスの、2つの映像作品を公開します。

また、10月1日にはスペイン在住の作家であるクリスティーナ・ルカスと、京都国立近代美術館学芸員の 牧口千夏さんをゲストに、トークイベントを開催します。
トークイベントの詳細はこちらをご覧ください。

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クリスティーナ・ルカスは、魅惑的に見えながらも、証言や告発を行うイメージを使って、非常に深刻な政治問題を取り上げる。

ルカスは『La Liberté raisonnée』で、ウジェーヌ・ドラクロワがたった3ヵ月(1830年10月~12月)で描いた「民衆を導く自由の女神」を再解釈している。この絵画について賛否両論あったことは知られているが、それはおそらく民衆の暴力を賛美したところがあるからであろう。しかしながらこの絵は国王ルイ・フィリップが購入している。

ルカスはドラクロワの絵画と、その蜂起の描写を蘇らせ―同時に脱構築している。映像は、絵画によって不滅のものとなった瞬間の前後に起きたことを映し出している。フランスのシンボルであるマリアンヌに率いられ、男たちはスローモーションで私たちの方へやってくる。陰鬱な行進と戦闘の音が、この場面の魅力と暴力性を増幅させる。理性と正義、自由、民主主義を求める象徴的な呼びかけは、他の多くのユートピア的ビジョンと同じように終わる。男たちは自由の息の根を止め、女神は地面に倒れる。

ノルウェーの北端にあるスヴァールバル諸島で撮影された映像作品『The People That Is Missing (El Pueblo Que Falta)』は、気候変動が最も顕著な北極という世界で最も厳しい状況下にある場所から、現代における喫緊の問題を取り上げることを目的とする。

この映像作品は、アレクサンダー・フォン・フンボルトからジェームズ・ラブロック、ドナルド・トランプやブリュノ・ラトゥールといった多数の思想家や政治家たちの、しばしば矛盾した言説の引用からなる詩を映像にしたものである。タイトルの『The People That Is Missing』は20世紀初めのスイスの夢想的な芸術家、パウル・クレーの言葉を引用したものである。ジル・ドゥルーズも1987年の講演でこの概念を強調し、次のように訴えている。「芸術、特に映画は、この課題に取り組まなければならない。それは、すでにそこにいると思われる民衆に語りかけることではなく、民衆の創出に貢献することである。」クリスティーナ・ルカスにとっては持続可能な存在を目指し、力と共通の目的を持った、まだ存在しない共同体をつくり出すことが重要なのだ。

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