水野朝展 ―これがわたくし・朝―

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開催情報

【作家】丸山 勉
【期間】2022年12月20日(火)~12月25日(日)
【開館時間】12:00-19:00(最終日17:00まで)
【休館日等】月曜日
【料金】無料

会場

会場名:ギャラリーヒルゲート
webサイト:http://www.hillgate.jp/
アクセス: 〒604-8081 京都市中京区寺町通三条上ル天性寺前町535
電話番号:075-252-1161

概要

水野朝―童心の絵心をつらぬく(抜粋)      中山真一
 無邪気な童心にたちまち帰らせてくれるかのような楽しい画面だ。
(中略)水野朝は、1945年(昭和20年)に名古屋市で生まれた。小児マヒで5歳まではひとりで立つことができなかった。ただ、画才は早くから発揮する。(中略)
 中学2年生の春、友人のさそいでたまたま訪れた日本画教室に、講師の友人であった日本画家・中村正義が偶然あらわれる。水野の描くところをじっと見ていた。(中略)後日、ひとを介してアトリエに来るようにとの伝言がくる。当時の中村は日展(日本最大の公募美術展)の寵児(ちょうじ)にして反逆児というスター的な存在。行かないという選択肢はなかった。
 アトリエに母と行ってみると、中村は「見るな、見せるな、聞くな」という驚くべき教えを簡潔に述べる。ひとの絵を見なくてよい、自分の絵をひとに見せる必要もない、ひとのする絵の話は聞かなくてよい、と真顔であった。のちに高校に進学するな、結婚もするなとも。水野は面食らいながらも、やがてその言に従おうとしていく。月1回、スケッチブックを持って市内にある中村のアトリエにかよった。(中略)弟子をとらないはずの中村に、唯一の弟子が誕生することとなる。(中略)それにしても高校くらいは。とくに両親がそう思い、しかもいじめにあうことがないようにとの配慮から、母親が家庭科教員を務める公立高校にかようこととする。(中略) 
 1962年(昭和37年)、毎日新聞社主催の第5回現代日本美術展に《花と花よめちゃん》が入選する。全国の気鋭の画家たちがしのぎをけずる同展に、あっさりと高校2年生が入選するのであった。地元でおおきなニュースとなっていたはずだ。はずだ、というのは本人が記事を見ていないから。当然、スクラップブックもつくらない。中村の教え「聞くな」を肩ひじはらずに実践するのであった。しかも中村は、もう公募展には出品するなという。以後それも守った。(中略)
 1977(昭和52年)、水野が32歳のおり中村が亡くなる。それでも、いつまでも師の教えは自然体で守りとおしてきた。ひとり絵を描くたのしみ。ただそれだけでよかった。75歳となった今でも中学時代と画風はあまりかわっていない。中村が水野の絵にみてとった新鮮さも、まったく変わるところがない。(後略)

『日本経済新聞』デジタル版、連載「青春のギャラリー」(2020年12月11日)に掲載された文より抜粋

水野 朝 略歴 MIZUNO Asa
1945/名古屋市生。59/中村正義に師事。68~73/個展(日本画廊〈東京〉)。75~79/東京展(東京都美術館)。81/個展(マエダ画廊〈名古屋〉)。82/個展「水野朝―素朴で原始的なフォーブの華」(羽黒洞企画〈東京〉)。96/個展「水野朝―ヒマラヤを画く―」(ギャラリーHAM〈名古屋〉)。97/詩集『露を踏んでいく足元』刊行(以後、計11冊の詩集を刊行)。05/個展「水野朝―描き続けるということ―」(羽黒洞〈東京〉)。13/自選作品集『これがわたくし・朝』刊行。17/没後40年記念 中村正義をめぐる画家たち(名古屋市美術館)。17・21/個展(名古屋画廊)。

夜話講座Aコース 今年度の予定
★講師 尾﨑 眞人 (前京都市美術館学芸課長) 
「疑問・八木一夫」
第1講 11月11日(金) 「1963年《金彩 装ったオブジェ》」
第2講 12月9日(金) 「1968年《名月》」
いずれも 19:10~20:40  ギャラリー1F 参加費1,000円(学生500円)  定員30名(要予約)

四耕会とともに現代陶芸の先駆的な活動で世界的に注目された「走泥社」。 その創立会員であり、イデオローグとしても活躍した八木一夫先生。その思想と作品に尾崎先生が迫ります。
今年は3回の予定を2回に短縮しましたので、11月スタートとなりました。ご了承下さいませ。

★ご予約はギャラリーヒルゲートにご連絡ください。
メール又はお電話にて承っております。
ご来廊の際にスタッフへお申し出くださっても結構です。
皆様のご参加をお待ちしております。
mail:hillgatekyoto@gmail.com tel:0752313702

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