開催情報
【作家】Levi Pata / リーバイ パタ
【期間】2019年5月17日(金)~ 6月9日(日)
【開館時間】10:00 – 20:00
【休館日等】火曜日
【料金】無料
https://www.haku-kyoto.com/?utm_campaign=0fd9b24a-df63-4eae-942b-9a6a5d1b7f8d&utm_source=so
会場
会場名:haku | exhibition
webサイト:https://www.haku-kyoto.com/
アクセス:600-8032 京都市下京区中之町566
電話番号: 075-0585-5959
開館時間:10:00-20:00
休館日等:火曜日休み
概要
去年、僕の故郷であるカリフォルニア州のパラダイスという町がカリフォルニア史上最大の山 火事で完全に焼けてなくなった。急速に広がる火から逃げ切れず何百人という人が亡くなり、 森の中にあるこの町と近隣の町から約5万人が避難を余儀なくされた。その日お母さんから「パ ラダイスが焼けた」とメールがきた時、京都は夜で、僕はちょうど自分の33歳の誕生日を祝って いた。近年、山火事は珍しいことではなかったから、翌朝にその事が国際的なニュースに発展し ているのを知るまで、そのメールの一文からは事態の大きさに気付かなかった。
パラダイスの焼失は、あれから僕の内側で起こったことを象徴している。5ヶ月が経った今、京 都の川のほとりの満開の桜の木の下でこの文章を書きながら、そう考えている。操縦士がいな い何千もの蝶の羽のように白い花びらが舞っている。そして、あの町のことを想う――僕の人 生の半分の思い出がつまった場所、お母さんの家と猫たち、僕の古い作品、その全部が灰と化 した。一つ前の文章を書いていたら、繊細な花びらがひとつ、僕のノートに落ちてきて、この文 章を書き終える前にまた飛んでいった。自然が示す「この世の全ては恒ならず」という真実を受 け入れることで、内側に再生に必要なスペースが生まれる。
火事の後、お母さんは新しい町で新しい家をみつけて、僕はここにある絵を作った。だから僕も いつか灰になる日がくるまで、「いま」を表現するのみだと思う――ここに展示してある作品た ちは、僕から「今日」にあてた手紙である。
LeviPata 2019 TODAY uns 6’9
リーバイ・パタ|Levi Pata 1985年ホリスター(カリフォルニア)生まれ。2009年から2年間東京で活動、その後サンフランシスコへ戻る。 2016年、京都へ移住。現在京都を拠点に制作活動をおこなっている。個展に、2011年「鳴り響く銃声とギリ シャの音楽」(FOIL GALLERY、東京)、2018年「black cherry」(AL、東京)など。2019年1月パリコレで発 表されたTAKAHIROMIYASHITA TheSoloist の2019AWコレクションのデザインに作品が使用された。 著作に、作品集『小さい部屋から』、ポストカードブック『ANOTHER SUNSET』、(HeHe Press出版、黄瀬麻以 との共著)がある。