開催情報
【作家】金氏徹平
【期間】2019年7月5日(金)~ 8月4日(日)
【開館時間】月・水・木・金 11:00 – 20:00
土・日 10:00 – 19:00
【休館日等】火曜日
【料金】無料
https://www.haku-kyoto.com/events/kimushitorutaira-teppei-kaneuji
会場
会場名:haku | exhibition
webサイト:https://www.haku-kyoto.com/
アクセス:600-8032 京都市下京区中之町566
電話番号: 075-0585-5959
開館時間:月・水・木・金 11:00 – 20:00
土・日 10:00 – 19:00
休館日等:火曜日休み
概要
「コンサートに行って、後ろのほうからステージを見ていると、人の頭がたくさん揺れ動いているのが見えますよね。僕にはそれが流動的なひとつの生き物に見えたんです。」
2005年から制作を開始し、今までにほぼ100体近くが作られたTeenage Fan Club (TFC)シリーズ。金氏の代表作とも言える本シリーズの原点は、コンサートでのこの体験から、家にあったフィギュアの髪の毛だけ取り外し、コラージュの感覚で組み合わせながら、顔のない、髪の毛の境にできる空洞から想像できる余地を創るところから始まります。その後も同じ手法でTFCを制作し続けてきた金氏ですが、世界の職人や技術者とのコラボレーションによって、その造形や素材は大きく変容していきます。
2015年にイタリアのヴェネチア・ムラーノで行ったガラス職人とのコラボレーションでは、現地の職人がTFCを独自に解釈することで制作が行われ、その造形がより抽象的に変容しながらも、ヴェネチアンガラスという独特の質感を持つ作品の出現に、金氏自身が驚きました。また、中国・北京では、デジタルや3Dの先端技術を用いてTFCのスケールを自在に変えることで、高さ約3mのTFCが2016年に制作され、上海や韓国の釜山でも展示されます。そして日本の金工作家、石川工房五代目の石川広明とのコラボレーションは2018年に行われ、フィギュアの髪の毛が丹念込めて精巧に造形が整えられた金に置き換えられることで、小ぶりながらもどっしりとした質感を兼ね備えたTFCが誕生しました。
本展では、このように様々に変容したTFCを、構成する要素で分解し、その「髪とプラスチックと黄金」を手掛かりに、展示する作品を再構成しながら、コラージュを巧みに用いて制作を続けてきた金氏の世界に迫ります。また会期中には、haku近くの京都髙島屋で開催される「大黄金展」にて、日本では初公開となる《Teenage Fan Club (Gold and Silver)》が、2017年に京都・旧三井家下鴨別邸にて開催された展覧会「光の現代美」にて初披露された《Mellow Gold #1》と共に特別展示されます。
コラージュ、そして、その延長線上にあるコラボレーションを自身の制作に敢えて持ち込むことで、彫刻とフィギュア、美術と工芸、個人と他者、スケールの大小などの境界線を流動化させ、そこから広がる新たな世界を楽しむように制作を続ける金氏は今回、美術の枠組みを越えて、地元・京都の美容院と百貨店を舞台に「髪とプラスチックと黄金」の実験展を行います。