開催情報
【作家】 カワトウ , 片岡 俊
【期間】2016年6月29日 (水)ー7月10日(日)
【開館時間】13:00ー19:30
【料金】無料
http://www.gallerymain.com/exhibition2016/trigraph.html
会場
会場名:ギャラリーMain
webサイト:http://gallerymain.jpn.org/
アクセス:〒600-8028 京都市下京区寺町松原下ル植松町731-1小林ビル2F3F
電話番号:075-344-1893
開館時間:13:00ー19:30
休館日等:-
概要
カワトウ
Kawatou
1983年宮崎県生まれ
プロフリーター
全くの無名、これといった受賞歴は無し
強いて言うなら保育園のマラソン大会での3位獲得、それくらい
2010年大阪産業大学大学院卒業
2012年写真表現大学本科修了
フリーのフォトタブロイド誌「Noiz」の発行や、インディーズ写真集レーベル「CITYRAT press」の立ち上げなど、大阪を拠点に活動。
“ Scat of Muhammmad ”
気付いた時にはもう遅かった。一瞬にして迫ってきた停車中のエスティマのリアガラス。木端微塵に砕け散るソレと愛車のCL400。顔面から一瞬にして吹き出す大量の真っ赤な血と、とてつもなく美しい秋空。鼻も口も私の顔面から旅立つことなく、味気ないこの脳ミソも破裂することなく、辛うじて一命は取り留めた。
アスファルトに横たわる惨めな吃音症のメキシコ人。白状をこれでもかと振り回しながら兎に角突き進む視覚障害者や、ボディクリームを塗りたくる乾燥肌のこの男も同じようなアメリカンドックを頬張っている。
東大卒のホモセクシャルも契約社員のバイセクシャルもセロリ好きの熟女マニアも藤田嗣治の乳白色の肌には敵わない。空梅雨の灼熱地獄で糞味噌に叩かれたキ・ソンヨン。オレンジ色のヘルメットに張られたモロッコ人の生ぬるい走り書きが私のくたびれた三段腹をこれでもかと締め付ける
片岡 俊
Shun Kataoka
1984年京都生まれ
個展『Touch』(2010/id Gallery)
受賞歴『KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 2014 グランプリ』(2014)
現在京都在住。
“ 吸水 ”
偶然雨がよく降る数日に遭遇し、昼夜問わずに写真を撮った。
日が暮れるとともに覆い被さるように広がる深い闇は、ただの暗さではなく、少し道を逸れると背筋が寒くなるような、黒々とした闇だった。
群馬県の山中にある一つの村での日々。近県の川を氾濫させるほどの水量を記録した雨は、道を濡らし、川の姿を変え、川岸に様々な物を運ぶ雨となった。写真を撮るには難しい状況ながら、昼夜問わず歩きながら写真を撮る体験は、その場所の空気を感じるだけではなく、天候や気候、目に見えないものまでが身体に沁み込むような体験だった。
自然とは、ずっと近くにあるが故に薄まってもいる。意識をしていなかった当たり前の自然。雨が降り、雨が乗り、植物は暗がりに首を垂れていた。水は岩を撫でながら、下流へ向けて滑っていた。
闇と水分。そのどちらもが場所に浸透していた。