開催情報
【作家】石井亨、小池一馬
【期間】2022年11月19日(土) ‒ 12月21日(水)
【開館時間】10:00 – 18:00
【休館日等】日・月休廊
【料金】無料
http://gallery-sokyo.jp/exhibitions/exhibitions-7094/
会場
会場名:現代美術 艸居
webサイト:http://gallery-sokyo.jp
アクセス: 京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町 381-2
電話番号:Tel: 075-746-4456
概要
艸居(本店)では、小池一馬と石井亨による二人展「小石景」を開催いたします。架空の古代遺物をテーマに黑いセラミック彫刻を制作する小池、現代社会を糸目友禅染め本来の持つ優美な線を使い色鮮やかに染め上げる石井。二人は歴史あるマスターピースから影響を受けながら、伝統や芸術の再考および刷新を試みます。本展では、小池の黑いセラミッ ク彫刻と石井の糸目友禅絵画を、艸居の空間に配して本展でしか見ることのできない<景>を創造します。
小池一馬は、画家・彫刻家として現在大阪を拠点に活動しています。「架空の古代遺物」をテーマに、偶像、ツボ、大型ネコ類、植物、パイナップルなどをモチーフとしたセラミック彫刻、ペインティング、ドローイングを制作しています。「異なる要素が調和しながら共存した状態」や「モノの用途や意味が変化する過程」へ関心を持ち、さまざまな場所と時代に由来するイメージを取り混ぜて作られる作品は、独特の浮遊感をまとっています。本展で小池は、黑いセラミックのみに焦点を絞り展示をいたします。静穏で硬い印象、どこか滑稽な表情を持つ彫刻たちから鑑賞者は想像力を掻き立てられ、その作品の物語を空想します。しかしその一方で、作品が黑単色であることや、作品のタイトルがBC(ブラック・セラミック)と数字の並びからな る記号であることから、作品の情報を押さえ込みコントロールしようとする、小池の意図を感じることができます。
石井亨は、「現代における日本伝統工芸の再解釈と現代美術の批評性」をテーマに、伝統的な染色工芸の革新を試み続けています。本展で石井は、江戶時代の糸目友禅技法で令和の東京の光を染め上げた作品「令和の浮世絵:東京の風景」を展示します。本展開催地の京都は友禅染発祥の地であり、300年以上も前から、鮮やかな色彩で着物へ装飾模様を施す技術によって江戶の人々を魅了してきました。本展の作品のイメージは、石井がフィルムカメラで撮影した東京の風景をデジタルエフェクトすることで、今の東京の光を抽出し、その光を江戶時代の技法で染め上げています。糸目友禅染と浮世絵という江戶時代に誕生した日本の伝統文化に、今の東京が紡ぎだす光をクロスさせることで、現代における浮世絵の表現の可能性を問い直します。また、石井は文化庁新進芸術家海外研修員に選出され、2年間のロンドン研修での⻄洋と日本のステイニング絵画および染色表現の探求を礎に、新たな染色絵画を考察しています。これまでに、日常の視点から日本社会をコミカル、かつ風刺的に描いた「サラリーマン」シリーズや、 現代都市の象徴である都市のネオンを主題にした「都市夜景」シリーズなど、変容し続ける日本社会を現代の浮世絵としてユーモラスに表現してきました。
二人の作品は、過去のイメージと現代の感覚が常に同居しており、どこかで見たことがありそうで無いユニークさを持っています。小池のセラミック彫刻と石井の染色絵画を艸居の会場に配し て<景>を創造する「小石景」展。この機会にぜひご高覧ください。
小池 一馬
1980 年神奈川県生まれ。大阪府在住。幼少期をブエノスアイレス、高校時代をバルセロナで過ごす。2003年、日本大学藝術学部美術学科彫刻専攻卒業。主な展示に、私立大室美術館(三重 2021)、AISHONANZUKA(香港 2019, 16, 13)、TEZUKAYAMA GALLERY (大阪 2020, 17, 14)での個展、「End of Eden」Galerie Wolfsen(オールボー 2022)、「INTERSECTION」 AISHONANZUKA(香港 2022)、「キャマ」Mitsukoshi Contemporary Gallery(東京 2021)、 「KUROOBIANACONDA 03 SANMAIOROSHI」TEZUKAYAMA GALLERY(大阪 2021)への参加がある。
石井 亨
1981年静岡県生まれ。2014年、東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻博士後期課程修了。主なコレクションは、東京藝術大学美術館、ヴィクトリア&アルバート美術館、モリカミ美術館。2016年より、文化庁新進芸術家海外研修員として、ロンドンで2年間滞在。 主な個展は、2011年「project N46」オペラシティアートギャラリー(東京) 、2014年「DeliriousMetropolis」大和日英基金ジャパンハウスギャラリー (ロンドン)、2018年「MetropolitanMoment」艸居(京都)、など。主なグループ展には、2013年「EDO POP」ジャパンソサイエティギャラリー、2016年「IMAYO」ホノルル美術館、2017年「Light Sgraffito」ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン)、など。受賞歴には、2011年「イセ・カルチュラル・ファンデーション・学生美術展覧会」デイビッド・ソロ賞受賞、2013年「2013年度博士審査展」野村賞受賞。