開催情報
【作家】宋光翼
【期間】2022年4月13日(水)- 5月7日(土)
内覧会:2022 年 4 月 12 日(火)
【開館時間】10:00 – 18:00
【休館日等】日・月休廊
【料金】無料
http://gallery-sokyo.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/01/PR_K_Song_JP_sokyo-1.pdf
会場
会場名:現代美術 艸居
webサイト:http://gallery-sokyo.jp
アクセス: 京都市東山区古門前通大和大路東入ル元町 381-2
電話番号:Tel: 075-746-4456
概要
現代美術 艸居(京都)では、「 宋 光 翼 | 紙物 -Jimul-」を開催致します。
繊細で巧みな技術によって韓紙を造形的な作品に昇華する宋は、絵画や彫刻の既成概念に挑戦 する革新的なアプローチをとる画家です。京都においては初の個展となる本展覧会においては 2018 年から 2021 年に制作された作品計 9 点を展示致します。
日本で作られる紙を和紙と言うように、韓国で 1000 年以上前から作られてきた手漉き紙を韓 紙(ハンジ)と呼びます。宋はその素材に大きな関心を寄せ、自身の作品に「紙物(ジムル)」と いうタイトルを名付けて制作を行なっています。宋は韓紙について次のように語っています。「私は、空間性や光の屈折、透光性や空間間の浸透性を明らかにしたい。楮(コウゾ)でできた韓 紙は、呼吸し、ささやくような素材である。それは目に見え、目に見えない形でコミュニケート する。韓紙はそういった点で、現代の紙とは異なっている。」
古くから家屋の建具や経典などの書籍に使用されてきた韓紙は、丈夫で強い生命力を持ちなが らも柔軟性に富み加工性にも優れているという性質を持ちます。こうした材料の特徴的な性質を 際立たせ手漉き紙としての風合いを生かすため、彩色は紙の表ではなく裏面から施されており、繊維によるインクのむらはそのまま残されています。着色後の紙は作家自身の手によってちぎら れ、折り曲げられて、画面を構成する 1 ピースとなります。
画面上に立ち現れるパターンは、韓国の伝統的な窓枠や、高麗八万大蔵経(韓国・海印寺に保存されている八万枚もの仏経典の版木)の並んだ様子、イスラム圏や中国の幾何学的な装飾模様などから影響を受けたものだといいます。一枚の韓紙が作られるまで数多くの工程と⻑い時間を経るように宋の作品も非常に繊細な動作の繰り返しで生み出されており、作家の意識と身体の両
方を注ぎ込まれるその過程の中で、韓紙は単なる素材を超え、作家の生そのもの、存在の真理を表現するものとなっています。
パネルの上に幾何学的に組み上げられた韓紙の一枚一枚が互いに共鳴し合い、幾重にも緻密に構 成されたその連なりは、視点の置き方や展示空間と作用することによって無限の線や面へと変化 して深く多様な響きを放ちます。
ソン・グワンイク(宋光翼) 1950年韓国・大邱生まれ。1976年啓明大学美術学科卒業(大邱・韓国)、1979年啓明大学教 育大学院美術教育科卒業(大邱・韓国)、1984年九州産業大学大学院美術研究科卒業(福岡)。 韓国と日本を中心に個展、グループ展を数多く開催。主な受賞歴として
1981年10回Salon de
Rupa奨励賞;福岡県立美術館(福岡)、1982年11回Salon de Rupa銀賞:福岡県立美術館(福岡)、2013年27回クムボク文化賞;クムボク文化財団がある。主要コレクションは国立現代 美術館(韓国)、北九州市立美術館(北九州・福岡)、大邱文化芸術会館(大邱・韓国)、大 邱市立美術館(大邱・韓国)。