水谷昌人 個展 『Sex and the Bacon』

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開催情報

【作家】水谷昌人
【期間】2018年12月6,7,8/13,14,15/27,28,29日 ●12月6日(木)18:00-レセプション
    ※他の日時にお越しの際は事前にご連絡ください。
【時間】13:00-18:00
【料金】無料

会場

会場名:FINCH ARTS
webサイト:http://finch.link/
アクセス:〒604-8016 京都市中京区下樵木町202-2 立誠ビル4F
電話番号:+81(0)80 1351 9467
休館日等:月/火/水/日曜日 休館日のご来場をご希望の際は事前にご連絡ください。

概要

 FINCH ARTSでは12月6日(木)より、水谷昌人個展「Sex and The Bacon」を開催いたします。
 水谷は2016年に京都市立芸術大学大学院油画コースを修了し、同年「a.a.t.m. アートアワードトーキョー丸の内 2016」丸ビル 建畠晢賞を受賞。その後も精力的に作品を制作し、東京と京都を中心に発表。今回はFINCH ARTSでの待望の初個展となります。

 彼の絵画は、一層一層塗り固めた絵の背面から絵の具が排出され、裏面から表面へ絵の具の物質と色彩があふれ出るという(まるで裂け目から内臓がのぞくような)特徴的な形態をしています。また、その絵画のイメージはモネやクリムト、ピカソなど多くは20世紀絵画の巨匠より引用されます。しかし、それは絶対ではありません。その巨匠たち(と芸術史)によるポピュラーなイメージが彼の作品の成立に必要なわけではないからです。(名画の他にも月面の写真などが用いられる事があります。)彼が絵画に用いる全てのイメージは、彼が「生命力を感じにくい」ことによってのみ選ばれています。つまり、比喩的にイメージが死んでいる事が重要なのです。

 「鼓動そのものを出現させる」と水谷は絵画制作の目的をそう語ります。
 死んでいるものをなかば強制的に蘇らせる、それは絵画に潜在するネクロマンシ―(死霊魔術)的な欲望だといえます。(あるいは彼の芸術史に対する率直な告白ととらえてもいいのかも知れません。)さて一般的には、死者の体に霊魂を呼び込み死体を生き返らせたとき、生き返ったそれは人間ではなく、生きていることと死んでいることが重ね合わさった状態として、ゾンビと呼ばれます。同様に、水谷が「鼓動そのものを出現させ」て蘇った絵画もそうでしょう。いつの時代も人々を誘惑する、死と生と性を止揚する、そういったもの。極端に言えば、それは我々が芸術にどうしようもなく惹かれてしまうもの、その全てだといってもいいのかも知れません。
 ご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ステイトメント

フランシス・ベーコンは「肖像画を描く際の問題は、モデルの鼓動をそのまま伝えられるような技法を見つけられるかどうかです。」とインタビューで言っています。私はモデル、もしくはモチーフに鼓動のようなものはあまり必要ありません。生きているリアリティを感じにくい、生命力を感じにくいほうが都合がいいと考えています。

私にとっての描く際の問題はモデルやモチーフなどのある対象物を伝えるわけでは無くベーコンでいうところの鼓動そのものを出現させることです。
作品の裏側に今生きていない作家の印刷された絵画作品の画像を貼ることや4ヶ月以上かけて少しずつ絵の具を積み重ねることもベーコンでいう鼓動そのものを出現させるために必要なプロセスです。

新作のSelf-portrait(only for you)では印刷された画像では無く裏側に実際に描かれた油彩画が使われた作品です。作品を手にとってもらった人と私(もしくは作品)が生命を生み出すイメージです。今までの作品が広がりとするなら今回は閉じていくプライベートな作品になっています。

水谷昌人

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