開催情報
【期間】2018年3月15日(木)~7月18日(水)
【開館時間】10:00~16:00
【休館日等】月曜日(祝日の場合翌日。ただし7月17日は開館)
【料金】一般1000円、中・高生800円、小学生500円(2階の特別公開料金を除く)
http://sumiyaho.sakura.ne.jp/page/art_museum.html
会場
会場名:角屋もてなしの文化美術館
webサイト:http://sumiyaho.sakura.ne.jp/index.html
アクセス:〒600-8828 京都市下京区西新屋敷揚屋町32
電話番号:075-351-0024
開館時間:10:00~16:00
休館日等:月曜日(祝日の場合翌日)
概要
岸駒(1756~1838)を祖とする岸派は、京都画壇では円山応挙没後(1795)から、円山派や呉春の四条派を凌ぐほどの流派となります。角屋の7代目徳右衛門(俳号徳野)は、岸駒が金沢から安永8年(1779)に上京し、岸駒と名乗る前の「岸矩峯」と号した無名時代より交流があったようです。そのためでしょう、天明元年(1781)2月の年記をもつ「柳下酔士図」が伝来します。
岸駒は、上京3年後の天明2年には、早くも『天明新刻平安人物志』に登載され、画家として世に知られるようになりました。天明4年には有栖川宮織仁親王の近習となり、「雅楽助うたのすけ」の名を授かり、さらに翌5年、名を「駒」、字を「賁然」、号には「華陽」を賜りました。角屋では、同7年(1787)までに、茶室水屋の板戸「墨梅図」、青貝の間襖6面「山水図」、6曲1双屏風「松竹梅図」等4点もの制作を依頼しました。こうして新人画家岸駒を支援していたのです。さらに岸駒は、角屋の天明期以降の改装・増築の際、襖、屏風、衝立ついたて、掛幅などの制作にも全面的にかかわりました。
岸駒の長男岸岱がんたい(1785~1865)は、岸派の2代目を継ぎ、京都画壇での重鎮として地位を占めました。角屋所蔵の岸岱の作品には、岸駒との父子合作の「前赤壁図」扁額があり、また単独の大作として、掛幅の「孔雀図」が遺されています。
岸駒の娘婿岸良がんりよう(1798~1852)は、揚屋のしつらいのため岸駒と同じく、衝立に「布袋図」「花車図」、6曲1双屏風に「牡丹孔雀図」「滝虎図」、掛幅では大幅「関羽像」や「柘榴鸚鵡図」等が現存しています。
岸連山きしれんざん(1804~71)は、岸駒の孫娘春の婿養子で、角屋には6曲1隻屏風「孔雀図」が伝わります。また現在、角屋松の間の襖絵に岸連山筆「桐鳳凰図」があります。これは、昭和47年(1972)頃に譲り受けたものでありますが、焼失前の松の間の襖絵には、岸駒筆の「波涛図」がありました。奇しくも、孫弟子連山の「桐鳳凰図」が大座敷のしつらいの役割果たしていることより、岸派とのゆかりがさらに深まりました。
岸竹堂きしちくどう(1826~97)は、岸連山に師事し、技量が認められ養子となりました。角屋とのかかわりでは、竹堂が明治5年(1873)に松の間で、臥龍松の庭を背に太夫を雅やかに描いた「太夫図」が遺されています。
このように角屋は、岸駒と岸派作品の単なるコレクターではなく、彼らとの深い交流を保つなかで、作品を所蔵してきたのであります。本展は、平成13年以来の17年ぶりの展示であり、この機会にぜひご高覧賜りますようご案内申し上げます。