開催情報
【期間】2022年5月17日(火)〜5月22日(日)
【時間】12:00〜18:00(月曜・休)
【料金】無料
https://art16.net/archives/4212
会場
会場名:galerie16
webサイト:http://art16.net
アクセス:〒605-0021 京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394, 戸川ビル3F
電話番号:075-751-9238
概要
他者と共に生きる人間の姿―
赤い身体、青い身体、黄色い身体…
私の作品は、表情を持たない年齢も性別もわからない抽象化された人体が、重なり合ったり距離を取りながらも寄り添ったりする構成により人間社会を布に表現しています。
日本古来の技法である型染めを用い、等身大の身体の型や小さな痕跡の型を組み合わせ、連続させたり、反転させたり、表裏から染める行為を繰り返し、布に染めます。
型を幾度も使い、糊で防染し染め重ねることで、ブレを生じながら身体の形がじわじわと現れます。染め重ねた色彩は積層的に見えますが、染料は油絵具などとは異なり、繊維に浸透し布の表情や質感をそのまま残し、厚み1㎜にも満たない布に吸収されています。元の生地のままフラットで水平な人間世界が奥行きを持って拡がります。
一度染めると消すことができず、その色彩や形態は作品に反映され続けます。また型を彫る工程においても、カッターナイフで切り抜くと修正不可能で元に戻ることはできません。このような制作過程の特性も人間世界と通じているのかもしれません。また型染め技法は、日本人の生活に寄り添い発展した歴史を持つため、糯米やヌカ、大豆など身近な原料を用いますが、私の肌に合っていると常々感じます。
「他者」の存在によって「私」が在ることを確かめながら、近年では繋がりや関係性を意識した作品を発表しています。2017年以降は、美術館やギャラリーでの展示だけでなく、人の気配を強く感じられる場所(駅構内やホテル、神社・道路といった野外)に作品を設置し、私の作品が社会と人の間に、自然と人の間に、人と人の間に存在する何に成り得るのだろうと、実験の日々が続いています。
玉井佐知
玉井佐知 TAMAI Sachi
1983 大阪府に生まれる
2006 京都精華大学デザイン学部テキスタイルデザイン専攻 卒業
2008 京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程染織専攻 修了
<個展>
2007 染色玉井佐知展(石田大成社ホール/京都)
2009 染色玉井佐知展(泉の森ホール/大阪)
2015 「循環」玉井佐知展(ギャラリーマロニエ/京都)
2017 「人間(にんげん/じんかん)をみる」玉井佐知展(ホテルアンテルーム/京都)
2019 「人物相関図」玉井佐知展(ギャラリーなつか/東京)
2021 「Compose」染色玉井佐知展(カンディハウス大阪/大阪)
<団体展、グループ展>
2007~2010 日展(国立新美術館、京都市美術館)
2007~2012 日本新工芸展(国立新美術館、名古屋松坂屋美術館、京都市美術館)
2008~2010 京展(京都市美術館)
2008 日本新工芸近畿会新鋭作家展(大丸京都店美術画廊/京都)
2010 期待される新鋭染色作家展 型染め五人展『現るかたち』(清流館/京都)
2011 染・清流展(清流館/京都)
2012 歌舞伎と能を染める(清流館/京都)
2013 京都府美術工芸新鋭展2013京都美術ビエンナーレ(京都文化博物館/京都)
ハンサムウーマン19展(清流館/京都)
2015 第60回記念表具展(京都市勧業館みやこめっせ/京都)
2016 美と用を染める(清流館/京都)
京都精華大学テキスタイルコース卒業生・在学生18人展「祈り」(ギャラリーマロニエ/京都)
2017 渋谷芸術祭2017(渋谷駅構内/東京)
2019 SICF20 EXHIBITION (スパイラルホール/東京)
2021 線の誘惑・型染展(染・清流館/京都)
<受賞>
2007年 東京都知事賞(日本新工芸展)
2008年 楠部賞(京展)
2010年 上野の森美術館奨励賞(日本新工芸展)