開催情報
【作家】植松永次
【期間】2016年6月11日(土)〜7月31日(日)
【開館時間】11:00〜19:00(入館は18:45まで)
【休館】月曜日
【料金】無料
http://gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20160611_id=8357#ja
会場
会場名:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
webサイト:http://www.kcua.ac.jp/gallery/
アクセス:〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1
(堀川御池ギャラリー内)
電話番号:075-253-1509
開館時間:11:00〜19:00(入館は18:45まで)
休館日等:月曜日 ただし7/20(月・祝)は開館、翌7/21(火)は閉館
概要
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、植松永次個展「兎のみた空」を開催いたします。伊賀・丸柱を拠点とし、土と火を素材として作品を制作する植松は、焼成された器としての機能をもつ作品だけではなく、空間を意識的に使ったインスタレーションや観客との対話を中心に据えたインタラクティブ作品など、多様な作品を制作し続けてきました。本展では、最新作のインスタレーションを中心に、植松のこれまでの創作活動を総観できる多彩な作品群を展示紹介いたします。
油絵やドローイングから創作への関心を抱き始め、その後、根源的な表現を模索する過程で土という素材に出会った植松は自身の活動について「陶芸家の人から見たら、“何してるんや”となるし、現代アートをやってる人から見たら“陶芸やろ”となる。見に来た人も“何してんの?”という感じ。いまだに自分でも陶芸家ともアーティストとも思っていないですね」と言います。自然体であるがゆえに、既存のジャンルに当て嵌らないその創作は、根元的な問いに対峙し続ける強さと同時に、安易な解に落ち着くことを選ばない自己に対する厳しさの両方を表しています。
本展では、その作品群を通して、制度化された美術とは別のところにある、どこか懐かしく、新鮮な芸術の原泉を垣間見ることができるでしょう。表層的なイメージの均質化とアップデートが繰返される現代において、植松の貫く真摯な姿勢にこそ、いま一度、立ち帰るべき表現を見出すことができるのではないでしょうか。
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「兎のみた空」 子供の頃に遊んだ土の感触は、今も変わらず指先にある。私の仕事は40数年前、土の表情を見ることから始まった。その頃の仕事場は、まだ豊かな自然が残る都市近郊の丘のような山に囲まれた場所にあった。 ある日、その仕事場の前で近くに住むお爺さんが大きな円形の囲いを作り、数羽の兎を飼いだした。兎たちはその中で跳ね回り喜び遊んでいたが、数日の間に地面を掘りだし、地表には幾つもの穴があいた。兎は穴から顔を出しては、違う穴へ尻尾は隠れてと動き回り、やがて可愛い子兎を見るようになった。その数は瞬く間に殖え、地中には四方八方へとトンネルが広がっているように思えた。季節は移り、木の葉が舞う頃、全ての兎は穴を残して姿を消した。 どうして、どうしてだろう。 いま、土の迷路を想像し、土の穴から空をみる。
植松永次
関連イベント
2016年6月11日(土)
14:00 – 15:30 アーティストトーク
16:00 – 18:00 オープニングレセプション
【アーティストトークスピーカー:植松永次、内田明夫】
旧知の中であり、ギャラリストとして植松の作品を長年発表していた内田明夫氏とのトークイベント。内田氏は現在、長野県で農業を営んでいます。完全無農薬の米は、ギャラリーで扱っていた美術品と同じく高い人気を誇り、全国に多くのファンがいます。卓越した審美眼を持つ内田氏からみた植松作品、またこれまでの豊富な人生経験を通した示唆に富んだ話を聞くことができる貴重な機会となるでしょう。