開催情報
【作家】奥村雄樹
【期間】2016年2月20日(土)- 3月21日(月・祝)
【開館時間】11:00〜19:00(入館は18:30まで)
【休館時間】月曜日(3/21(月・祝)は開館、翌3/22(火)を休館)
【料金】無料
http://gallery.kcua.ac.jp/exhibitions/20160220_id=7614#ja
会場
会場名:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA Gallery A
webサイト:http://gallery.kcua.ac.jp/#ja
アクセス:〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1
(堀川御池ギャラリー内)
電話番号:075-253-1509
開館時間:11:00〜19:00(入館は18:30まで)
休館日等:月曜日
概要
「あ、きみの名前、正確な綴りをここに書いてくれないか」
河名温が、新聞広告の余白を指さした。働いたことのない細長い指だった。
「なんで?」
私はいつもの癖で、つい反射的に身がまえた。名前と聞くたびに不安になるのだった。
「こんなのも作ってるんだよ」
〈I MET〉という一冊しかない手作りの本だった。ファイルブックに、タイプ用紙がはさみこんであり、一ページが一日分で、そこに人の名前だけが記されていた。毎日、毎日その日に出会った人の名前を記しておくのだという。(中略)偽名ではなく、本名を書いた。ニューヨークで暮すようになってから、本名を書くのは初めてだった。宇宙空間へ流すタイム・カプセルかなにかに自分の名前が記録されるような面映ゆい気分だった。なにごとも起こらないこの無名の一日が、途方もない永遠の真っただ中に据えつけられ、記録されているような気もした。
宮内勝典「グリニッジの光りを離れて」(河出書房新社、1980年)より
プロフィール
奥村雄樹
2015年「ローマン・オンダックをはかる」MISAKO & ROSEN、東京(個展)、「Un-Scene III」ヴィールズ・現代アートセンター、ブリュッセル(グループ展)、「Hisachika Takahashi Annotated by Yuki Okumura: Memory of Past and Future Memory」アネット・ゲリンクギャラリー、アムステルダム(2人展)、「奥村雄樹・モニカ・ストリッカー」ヤパニーシ ュ・カルトルインシテュット・ケルン、ケルン(2人展)「ヴィラ・トロント」ユニオン・ステーション、トロント(アー トプロジェクト)「Shuzo Azuchi Gulliver & Yuki Okumura: Shi」Etablissement d’en face projects、ブリュッセル(2人展)2013年「アウト・オブ・ダウト 六本木クロッシング 2013」森美術館、東京(グループ展)2012年「APMoA Project ARCH vol.4:奥村雄樹善兵衛の目玉(宇宙編)」愛知県美術館、名古屋(個展)、「MOT アニュアル 2012: 風 が吹けば桶屋が儲かる」東京都現代美術館、東京(グループ展)2010年「くうそうかいぼうがく(落語編)」MISAKO & ROSEN、東京(個展)2009年「Now That I’m By Myself, She Says, I’m Not By Myself, Which is Good」ダイバー ス・ワークス、アートスペース、ヒューストン(グループ展)