「文化芸術で人が輝く社会づくりモデル事業」の実施について
東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では、今年度京都市から委託を受け「文化芸術で人が輝く社会づくりモデル事業」を実施しています。本事業は、文化芸術の力を活用し、社会的課題を抱えた方も含めた様々な人々の社会参加の機会を増やし、その困難の緩和や解決につなげることを目的とした取組みです。
この度、本事業において、3つのモデル事業を下記のとおり実施しますので、お知らせいたします。
※「文化芸術で人が輝く社会づくりモデル事業」について
文化芸術の力により、社会的困難を抱えた方も含めた様々な人々の社会参加を促進するため、子育て支援施設や高齢者福祉施設等に芸術家を派遣するモデル事業を実施し、その効果を検証するとともに、他都市の事例等の調査を踏まえ、今後の本格的な事業展開につなげていくことを目的とする事業。
1 子どもプロジェクト
児童養護施設「和敬学園」に入所している子どもを対象に、京都市芸術文化協会の協力のもと、音楽のワークショップを複数回実施し、最終回は学園内の卒業イベントに合わせて練習の成果を発表します。文化芸術に触れることにより、自らの表現力を引き出し、コミュニケーション能力を高めるなど、生きる力、他者と共生していく力などを育みます。
※ワークショップの対象は学園内の児童であり、一般参加はありませんが、取材いただくことは可能です。
日時:各回とも16:00~(1時間程度)
ワークショップ① 2017年12月22日(金)
ワークショップ② 2018年1月31日(水)
ワークショップ③ 2018年2月21日(水)
ワークショップ④ 2018年3月16日(金)
会場:児童養護施設 和敬学園(京都市上京区烏丸通寺ノ内上る東入相国寺門前町704番地)
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京都市立堀川高校音楽科(現:京都市立京都堀川音楽高校)を経て、神戸女学院大学音楽学部卒業。バロックザールにて2002、2005、2012年にフルートリサイタルを開催。ブルガリアにてプレヴェンフィルとコンチェルト協演。これまでに,安藤史子、白石孝子、曽根亮一、西田直孝、福永吉宏の各氏に師事。京都音楽家クラブ、日本フルート協会会員。
福島 あき(声楽)
京都市立堀川高校音楽科(現:京都市立京都堀川音楽高校)を経て、国立音楽大学音楽学部声楽学科卒業。第4回日本クラシック音楽コンクール全国大会にて特別賞を受賞。これまでに、西村裕見子、鳥井直子、鳥井晴子、戸田敏子、菅家美保子、小木谷好美、レッサ・コレワ、ツェガー・バンデルステーネの各氏に師事。産経学園講師。京都音楽家クラブ会員。
村山 知美(ピアノ)
京都市立堀川高校音楽科(現・京都市立堀川音楽高校)ピアノ専修を卒業、同校卒業演奏会に出演。京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。在学中に同校定期演奏会に出演。これまでに、江田縫子、阪田誠康、田隅靖子、阿部裕之の各氏に師事。京都市交響楽団・日本センチュリー交響楽団のメンバーによる弦楽ユニット「こむし・こむさ」と共に2006年~2015年親子コンサートなどで活動。
2 LGBTプロジェクト
「Café LGBT+」が実施するレクチャー事業と共同で、LGBTをテーマにしたワークショップを実施します。マレーシアのアーティストであるパン・キーテイク氏のLGBTに関する宣言文「TRANCELATING THE RAINBOW(多様性を理解する)」を、参加者と一緒に翻訳していくことで、LGBTの理解促進に繋げます。
※Café LGBT+:LGBT当事者・非当事者の垣根を越えたゆるやかなコミュニティづくりを目指したプロジェクト。
①調査報告会「アメリカ西海岸におけるセクシュアル・マイノリティのコミュニティ調査報告」
今年の夏に実施された現地調査の報告から、アメリカ社会におけるアジア系、太平洋諸島系アメリカ人コミュニティの事例に触れながら、アジアにおけるアートとアクティビズムの関係を考えます。
日時:2018年12月9日(土)14:00~16:00 ※参加無料。当日直接会場へお越しください。
会場:京都市中京青少年活動センター中会議室(京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262番地3階)
講師:藤田淳志/山田創平
②トークイベント「エイズ危機の時代のアートとそのアーカイブ化」
1990年代初頭、アーティストグループ「ダムタイプ」のパフォーマンス作品『S/N』をきっかけとして、京都では、エイズに関わる問題を考え、自分たちのこととして捉え直す活動が盛り上がりました。現在、当時の資料や映像、写真やスライドの整理に加えて、当時の活動に関わった人たちに対するインタビューが行なわれており、このアーカイブ化プロジェクトの現状と課題についてお話を伺います。
日時:2018年1月20日(土)14:00~16:00 ※参加無料。当日直接会場へお越しください。
会場:京都市立芸術大学芸術資源研究センター(京都市西京区大枝沓掛町13-6)
講師:ブブ・ド・ラ・マドレーヌ/石谷治寛
※LGBTプロジェクトの最終回として、2018年2月中旬にパン・キーテイク氏を招き、ワークショップを実施する予定。
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愛知学院大学教養部准教授。専門はアメリカ文学、特にアメリカにおけるエイズ演劇、クイア演劇。共著書に『たたかうLGBT&アート』(法律文化社、2016)などがある。
山田 創平
社会学者/京都精華大学全学研究機構社会連携センター長・人文学部准教授。名古屋大学大学院修了。博士(文学)。厚生労働省所管の研究機関や民間のシンクタンクなどを経て現職。編著書に『たたかうLGBT&アート』(法律文化社,2016)、共著書に『ジェンダーと「自由」-理論、リベラリズム、クイア』(彩流社,2013)などがある。
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ
1990年代より国内外でパフォーマンスや映像・テキスト・ドローイング作品等を制作。同時にHIV/AIDSと共に生きる人やセックスワーカー、セクシュアルマイノリティ、女性の健康や人権についての市民活動に携わる。2012年秋に社会学者の山田創平らとのユニットによるプロジェクト「水図」を別府にて発表。2017年より美術史家の石谷治寛と「エイズ危機の時代のアートとそのアーカイブ化」のプロジェクトを開始。
石谷 治寛
京都市立芸術大学芸術資源研究センター研究員。19世紀フランス美術と視覚文化に関する学術論文を発表。近年は精神分析や心理療法におけるトラウマや治癒概念の発展とグローバルな芸術史との相互関連を研究しており,アーカイブをめぐる調査も行う。著書に『幻視とレアリスム―クールベからピサロへ フランス絵画の再考』(人文書院,2011)。共著に『アートセラピー再考』(平凡社,2013)などがある。
主催:Café LGBT+
共催:京都市、京都精華大学山田創平研究室、京都市中京青少年活動センター
3 多文化共生プロジェクト
東九条地域にある高齢者福祉施設「故郷の家・京都」をはじめとする地域の福祉事業実施団体のみなさまと、現代舞踊のアーティストである倉田翠氏が協働で作品を制作し、発表公演を行います。その公演を通じて、出演する施設利用者や地域が抱える課題、メッセージを共有し、文化芸術を通して、多文化共生への理解促進や地域活性化に繋げます。
作品名:『はじめまして こんにちは、今私は誰ですか?』
日時:20180年1月27日(土)上演時間50分程度
【1回目】14:00時開演(13:30受付開始)定員30名(施設利用者と同時鑑賞のため)
【2回目】16:00時開演(15:30受付開始)定員100名
会場:故郷の家・京都文化ホール〈雲史ホール〉(京都市南区東九条南松ノ木町47)
作品構成:映像と出演者の生のパフォーマンスを組み合わせた舞台作品
出演:故郷の家・京都利用者,倉田翠(アーティスト) 他
協力:社会福祉法人 こころの家族,京都コリアン生活センター「エルファ」、東九条まちづくりサポートセンター「まめもやし」 他
料金:無料(要事前申込・先着順)
“アーティストプロフィールはこちら”
1987年生まれ。3歳よりクラシックバレエ、モダンバレエを始める。主に京都を中心に演出・振付家・ダンサーとして活動。京都造形芸術大学在学中よりダンス作品を発表、また他の演出家の作品にも出演し、自ら企画、運営なども行っている。2010年より継続的に、展示場での身体展示企画『今あなたが「わたし」と指差した方向の行く先を探すこと』展を開催。2011年より京都府庁でのダンス公演『すごいダンスin府庁』実行委員長。akakilike主宰。
お申込み方法
お申し込み先:一般社団法人 アーツシード京都
電話 075-744-6127 (受付時間10:00〜18:00)
メール:ticket@askyoto.or.jp
※ご来場者様のお名前とふりがなを送信してください。送信後に自動送信メールが届きます。
公演当日27日12時まで受付ております。お早めにお申し込みください。
※14:00の回は定員に達したため申し込みは終了しました。
今後の予定
モデル事業及び市内・他都市の先進的な事例調査の結果を検証し,市民と共有するためのフォーラムを2月中旬に開催する予定です。
詳細:http://haps-kyoto.com/bunka_model/
問い合わせ
・東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
電話:075-525-7525 Eメール:info@haps-kyoto.com
・京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化芸術企画課 電話:075-366-0033