閉塞感や社会的な分断が私たちを取り巻いています。文化や芸術は、このような時にこそ、新しいヴィジョン、価値観、世界像を提供することが求められています。しかし、文化産業として高度にシステム化されている現行のアートシステムでは、そのような根源的な芸術の営みが生まれづらい状況になっています。
そこで私たちはアーティストに期待をかける新しい方法論を提案します。
それは、新しいパトロンが新しいアーティストを生み出すというものです。
レオナルド・ダ・ヴィンチは単なる画家ではなく、建築や科学を含めた総合的なアーティストであり、それを支えていたのはパトロンたちでした。現行の美術館やギャラリーとは違う回路で、アーティストが「作品」を成す可能性を想定してください。HAPSはそれを支援する方を募集いたします。
間違ってほしくないのは、このプログラムはアーティストのクリエイティヴィティを部分的に利用することを目的としていません。装飾やデザイン、コンテンツの提供や集客のための視覚的要素の導入などは、アートの道具化でしかありません。そうではなく、クリエイションそのものの必然性を掘り起こしたいのです。閉塞した状況を打破すること、全く新しいヴィジョンを提供すること、無根拠な創造性を擁護すること、自由とは何かを具体的に示すこと。こういった根本的なことを芸術家に求めたいのです。そういったニーズが存することが可視化すれば、それに応えうる芸術家も生まれてくることでしょう。
以上が本プログラムの主旨になります。
主旨自体はいささか理想主義的ですが、運用に際しては実践的なシステムを準備しています。